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軽貨物の車両は買うかリースか——配送形態で答えが変わる

ハコマネ編集部
軽貨物の車両は買うかリースか——配送形態で答えが変わる

車を買うか、リースか。軽貨物の管理者なら一度は悩む問いだ。

120台規模で管理してきた経験で言うと、「どちらが正解か」という問いの立て方が間違っている。配送形態によって、答えは完全に変わる。


この記事でわかること

  • 宅配・ルート配送それぞれに向いた車両調達の考え方
  • 中古車選びで年式と走行距離のどちらを優先すべきか
  • リースアップ前提の設計がなぜルート配送に合うのか
  • 長距離ルートでリースを使う際の注意点

結論:宅配は中古購入、ルート配送はリースアップ前提の新車リース

結論: 宅配ドライバーには中古車購入、ルート配送ドライバーにはリースアップを前提とした新車リースが現場での正解。理由は「事故率」と「ドライバーのLTV(在籍期間)」にある。

まず前提として、軽貨物の車両調達は大きく2択だ。

方式初期費用月額負担所有権向いている配送形態
中古車購入30〜50万円なし(維持費のみ)あり宅配・ラスト1マイル
新車リース(リースアップ前提)0〜数万円毎月3〜5万円なしルート配送・固定契約

宅配は「中古車購入」が正解——理由は事故率にある

宅配(アマゾン・ヤマト・佐川等の個人委託)は、事故率が高い。

時間プレッシャー、初めての道、狭い住宅街。ベテランでも年1〜2回はぶつける。リース車で事故を起こすと修繕費の原状回復請求が発生し、ドライバーの手取りから引かれるケースが出てくる。モチベーションが一気に落ちる。

中古車購入なら、「自分の車」という意識が働く。実際、自分の車で走っているドライバーのほうが、小さな傷でも自分から報告してくる。「どうせ会社の車」という感覚がないから、丁寧に乗る。

購入費用は30〜50万円が現場の相場だ。修理コストも経費として落とせる。リースのように毎月の支払いが続かないぶん、キャッシュフローの予測も立てやすい。


中古車を選ぶとき「走行距離より年式」を見る

中古車選びで失敗しやすいのが、「走行距離が少ないから状態がいいはず」という判断だ。

これは間違いだ。車は年式(製造年)のほうが重要な指標になる。

走行距離が少なくても、製造から10年以上たった車はゴムパーツや電装系が経年劣化している。人間に例えると、「走っていない老人」と「毎日動いている若者」の差に近い。老体はどこかしら痛みがある。メンテナンスにかかる費用も、若い車とは桁が違う。

現場で実際に起きていること——走行距離2万kmの10年落ち軽バンを安さで買ったが、エアコン・ベルト・バッテリーが半年以内に続けて逝って、結局30万近く修理費を使った。走行距離5万kmの5年落ちを50万で買ったほうが、トータルでは安かった。

**目安:年式5年落ち以内・走行距離は5〜8万km以内を基準にする。**両方の条件を見て判断する。年式だけ、走行距離だけで選ばない。


ルート配送は「リースアップ前提の新車リース」が正解

ルート配送(スーパー・コンビニ・工場への固定ルート)は、宅配と事故率の水準が違う。

同じ道を毎日走る。荷主との関係が長期で決まっている。ドライバーの入れ替わりも宅配より少ない。こういう現場では、新車リースが合う。

ただし重要なのが「リースアップを前提に組み立てる」という視点だ。

リース期間(一般的に3〜5年)が終わったら車を返却して、また新しい車で新しいリース契約を組む。これを繰り返す設計にする。常に新しい車が現場に入るから故障リスクが低く抑えられる。修理費の突発コストが発生しにくい。

LTV(ドライバーの在籍期間) で考えると、この組み方が合っていることがわかる。ルートドライバーが3〜5年同じ現場に入り続けるなら、リース期間とLTVがちょうど重なる。リースアップのタイミングで車を刷新しながら、次のリース期間も同じドライバーが乗る——この循環が回れば、維持コストを一定に保てる。

一方で宅配ドライバーは半年〜1年で入れ替わることが珍しくない。リース期間が残っているのにドライバーが辞めると、車両の処理に困る。ドライバーのLTVとリース期間が噛み合わないのが、宅配×リースの一番の問題だ。


ルート配送でも長距離は注意が必要

ルート配送でも、1日300km以上走る長距離ルートは別の話だ。

新車リースは走行距離に上限が設定されていることが多い(月1,500〜2,000kmが一般的)。超過すると、リースアップ時に1kmあたり数十円の超過料金が発生する。長距離現場でリースを選ぶなら、契約時に走行距離上限の交渉が必須だ。

この確認を怠って、リースアップ時に30〜50万の追加請求が来るケースを複数見てきた。長距離ルートに入れる前に、月間走行距離の実績を必ず確認する。


ただし、これはあくまで「傾向」に過ぎない

ここまで書いてきたことは、経験則としての傾向だ。例外は必ずある。

宅配でも5年間一度も事故を起こさないドライバーはいる。ルート配送でも、3ヶ月に1回は何かしらぶつけてくるドライバーがいる。案件の特性と人の特性は、別の話だ。

本当に重要なのは「案件・人・車両のLTV」を三つ合わせて見て、適切な配置を判断することだ。

  • 事故歴のないドライバーには、配送形態を問わずリースを使う選択肢が出てくる
  • 入れ替わりが激しい案件には、どんな配送形態でも中古購入のほうが損失を限定できる
  • 車両のLTV(リース期間や購入車の使用可能年数)とドライバーの在籍見込みがずれていると、どちらを選んでもコストの無駄が出る

「宅配だから中古」「ルートだからリース」という公式を機械的に当てはめると、必ずどこかで外れる。案件の性格・そのドライバーの傾向・車両がどこまで持つか、この三つをセットで考えるのが車両調達の本質だ。


ハコマネで何ができるか

車両の調達判断は一度きりではない。

ドライバーの稼働日数・在籍期間・配送形態を追いかけると、「このルートはリースアップのサイクルで管理すべきだな」「この宅配ドライバーは中古購入のほうが合っていたな」という判断が後から見えてくる。

ハコマネでは稼働ログとドライバーの在籍期間を紐づけて記録できる。 車両コストの最適化は、現場データを蓄積してから判断するほうが正確だ。


まとめ

  • 宅配には中古車購入——事故リスクが高く、自分の車のほうが丁寧に乗る
  • 中古車は「走行距離より年式」が重要。年式5年以内・走行距離5〜8万kmを基準にする
  • ルート配送にはリースアップ前提の新車リース——LTVと期間が重なり、維持コストが安定する
  • 長距離ルートはリースの走行距離上限に要注意。リースアップ時に超過請求が来る

車両調達の判断は「安いほう」ではなく「配送形態と合っているほう」で選ぶ。それだけで維持コストと離職率の両方が変わってくる。


よくある質問

Q: 中古車を選ぶとき、年式と走行距離はどちらを優先すべきですか? A: 年式を優先してください。走行距離が少なくても年式が古い車は、ゴムパーツや電装系の経年劣化が進んでいます。目安は年式5年落ち以内・走行距離5〜8万km以内の両条件を確認することです。

Q: リースアップ後の車はどうなりますか? A: リース会社に返却します。返却後は新しい車で新しいリース契約を組む設計にしておくと、常に新しい車が現場に入る状態を維持できます。このサイクルを前提に管理するのがポイントです。

Q: 走行距離超過のペナルティはどのくらいですか? A: リース会社によりますが、1kmあたり10〜30円程度が多いです。月300km超過が続くと年間で10〜30万円規模になります。長距離ルートに入れる前に、月間走行距離の実績を確認するのが先決です。

このメディアについて

120名のドライバーを動かして、年間700台の故障を見て、それなりに喰らってきました。その経験から、これから事業拡大を目指す軽貨物管理者の皆さんにとって、失敗も成功も、これまで私がやってきた中で見えてきたことを書いています。

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